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本当に読んだもの、聞いたもの、試したもので、よいと思ったものしか紹介しません。 マニアックじゃないけど少し偏った品揃えです。
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李 学仁 王欣太 『蒼天航路』 
こちらも三国志作品の傑作且つエポックな作品。熱烈なファン、マニアが多いので、あちこちのレビューを覗いてみて!

タイトルに三国志を掲げず、曹操その人をどっかり中心において、ストリー展開しているが、やはりここでも曹操は傑物。合理を貫き、古き悪しき慣習・常識・価値観(と曹操が認識したもの)は、躊躇なく破壊していく。それはかなり偏執狂的でもあって、彼を突き動かす原動力だったのか。特に儒家に対するそれは強烈で、当時の社会における硬直した儒家・儒教の影響力とその弊害を考えれば当然のような気もするし、この点で彼が単に国盗りゲームの参戦者という事ではなく、価値の変革を目指す革命家だったと言えるかもしれない。漢王室の復興という劉備の志よりも、もっと高く困難な境涯を志向した三国志人物中、随一の志の人だったのかもしれない。

それだけに、彼に従うか否かは、人としての価値観を彼と一にするか否かの選択を迫られることになるので、それをよしとしない相手の抵抗は強烈だったのだと思う。彼がもし、緩やかな連邦的な帝国を目指したのであれば、中華統一は彼の存命中に実現したかもしれないが、それは彼の望んだ事ではなかったのだろう。

独裁者の色彩も濃いが、曹操は圧倒的な人間的魅力に溢れている。それは、宦官の家系に生まれ、一官僚から幾度の挫折を経て、人と交わりながら皇帝を奉戴し、国の主となった彼の人生によるものだろうと思うし、流される事はなくとも、情緒豊かで人の感情をまっすぐに捉え活かす事のできる人だったと思う。

さて、『蒼天航路』の魅力の一つに周辺の将軍、文官の人物描写があげられる。
とりわけ曹操陣営は、曹操が中心の作品だけに露出も多く、夏候惇、荀彧、郭嘉など側近はもとより、各将軍も魅力的に描かれている。他作品ではほんの少ししか扱われることのない徐晃、楽進もクローズアップされているし、張遼、賈詡などの降将組も魅力的で存分に活躍する。
劉備軍では、関羽、趙雲、ちょっと変わったところでは法正の描写が面白い。諸葛亮は設定を複雑にしすぎたようでリアリティは感じにくい。もっとも、この作品は曹操の一代記なので、曹操の死をもって完結。よって諸葛亮の一人舞台となる曹操・劉備なき後の三国志の世界は描かれていないので不足はない。

もう一つ、作画も『蒼天航路』の大きな魅力。
人物が表情豊かに精緻に書き分けられており、みな個性的。甲冑や馬、衣装や背景も丁寧。曹操がだんだん年をとってくるのを絵で追うことが出来る。

 『蒼天航路』 、三国志を知ってる人も、知らない人も、誰でも楽しめる作品。
蒼天航路全36巻、大人買いで部屋にこもってみるのもいいかも。

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