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本当に読んだもの、聞いたもの、試したもので、よいと思ったものしか紹介しません。 マニアックじゃないけど少し偏った品揃えです。
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全巻セット!ご購入は当店で!期間延長!全商品 送料無料です!【漫画】ひまわりっ 健一レジェンド (1-11巻 最新巻) 


 


 







ひまわりっ ~健一レジェンド~ 1-11巻 漫画全巻セット 連載中
 

 






















週間『モーニング』連載中の「ひまわりっ ~健一レジェンド~」。

実は、モーニングは毎週愛読しているものの、この作品は少女漫画然としたキャラクターデザインとこれまた少女漫画っぽいタイトル(そうでもないか?)のせいで長い間読まずにいた。

そんな折、なんとなく読んでみると
これがおもしろい!!!
ストリーを説明しても、特になんということはないのですが
所々に散りばめられたギャグ(作者はこれを寸劇という形でひょげんすることが多い)が、なにか無性に琴線を触ってくるんですよ。

簡単にいうと、主人公の駆け出しの漫画家アキコを周辺の登場人物が意図して或いは意図せずして執拗に弄りまくるわけですが、まあその弄り方の見事な事!

特に先輩社員でアキコのアシスタントも努める猿渡副主任の言動が秀逸(猿渡さん、どうやら3巻位でキャラチェンジしたようで、それ以降に大活躍します)。

因みに健一というのは、アキコの父親で強力な天然チャラ。これは実際に作者の父親がモデル(名前も健一らしい)だそうで、作者ももう一つの代表作『ママはテンパリスト』でも、実際の自分の息子である「ごっくん」とのエピソードを元に描いている。身近な人物とそのエピソードを素材に作品を構築していくスタイルらしく、作品中でも「自分には、こんなおもしろいエピソードを創作する能力はない」旨の記述をしている(「ママはテンパリスト」中)。多分に謙遜もあるだろうが、ささいな日常のエピソードをこれほどまでに笑えるネタに仕立て上げる作者の力量に拍手!

話がそれたが、父親の健一の他にアキコに想いを寄せる植木屋さんの健一。この健一とアキコのつかず離れず、燻り続けるような関係を軸に物語は進行していく。
また主人公が作者を模した漫画家であるため、締め切りに追われる姿や作品のモチーフに悩む姿は、リアリティが感じられ、改めて大変な仕事だなぁと変に感心する。

気持ちよく、すがすがしく笑いたい方、
おすすめです!







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小林よしのり氏の「ゴーマニズム」シリーズの最新刊。

祭祀としての天皇と立憲君主としての天皇、
作者は、日本史において天皇という存在が、如何に有効に機能したか、中国史などと比較して紐解く。

無論、それは狂信的な天皇崇拝でもなく、
天皇をみこしにかつぎ、国粋的な策謀でもなく、
冷静、且つ純真に天皇とその歴史を見つめていると感じた。

正直、本書中段あたりで、感動して泣けてきてしまった。
なんというか、ただただ「ありがたい」とう気持ちになった。

その昔、西行法師が伊勢神参拝の折(当時は僧侶は拝殿までいけず、ずっと手前で参拝したらしいが)、

「なにごとのおわしますかは知らねども、
            かたじけなさに涙こぼるる」

という和歌を残されているが、なんだかそんな心境に。

天皇、憲法、9条、自衛隊・・・・など、この手の問題については、極端且つ短絡的に考えたり、反応する人が多く、やはいr戦後教育の根深さをひしひしと感じざる得ない。その事をもっとも熟知しているのは、隣国の韓国・北朝鮮であり中国であり、日本の世論のある種の分野は彼らに面白いようにコントロールされているのではないだろうか?

こんなことを書くと、右翼、好戦的とすぐに非難されるが、むしろそうやって、議論や意見を封印する社会のほうがよほど危険で思考停止の状態ではないかと思う。










フード業界?で人気者の飯島奈美さん。

なんでもない料理、
普段のご馳走が、この人の手にかかるととっても素敵になっってしまいます。

技術的なことも当然ある(『おいしさの秘密』には、ちょっとした技やノウハウが公開)のですが、
それ以上に最終的は、人格というか、人となりによるものが大きいのじゃないかと感じます。
料理に限らずですが、結構、狙って作っても、いやらしさとかがでちゃうんですよね。

フィールドが違いますが、CMプランナーの本間絹子さんにも同じような感じを受けます。

人格、人となり・・・・・ひたすら精進ですな。



 
キンチョウのCMでおなじみのカリスマ講師kyoさんの
DVD-BOOK。

ペルヴィス・ダンスとは、骨盤を中心に動かし、
柔軟性とインナーマッスルを鍛える・・ような感じです。

骨盤系のダンス、エクササイズはたくさんあって
ここの細かな違いは良く分かりませんが、
本書の内容でいうと、それほど激しい動きはなく
骨盤周りをほぐしながら、じっくり筋力を鍛える・・
そんな感じです。

入門的なエクササイズが集められているので
初めてでも入りやすい内容。

しかしあなどるなかれ!
特に大きな負荷をかけている訳でもないのに
終わればじっとりと汗が。
体の奥部分の筋肉がたしかに鍛えられている気がします。

『1日1曲、2週間で変身!』のサブタイトルの真偽は証明できていませんが、
手軽に楽しく骨盤調整を行いたい向きにはいいのではないかな、と思います。


















『もやしもん』、これはおもしろい!



イブニング連載で、深夜にアニメも放映されていたのでファンの方も多いと思います。、微生物が肉眼で認識できるという特殊脳力をもつ主人公、沢木と沢木を取り巻く個性豊かな面々が繰り広げるドラマ、と要約できそうですが、農学部という舞台の特殊性、メインストーリーとは別に繰り広げられる微生物(例えば麹菌は、A・オリゼーと学名で呼ばれる)達の活動が相まって、まぁ、よく出来ている。

農学部という環境で繰り広げられる実習や農大ならではの学祭などのイヴェント・・・現実の農大をどこまで表現しているのかは分からないが、文系のあまり大学には寄り付かない学生だった自分としては、別世界を覗くようで、なんともうらやましい気もする。

もともと、お酒や味噌など醗酵食品が好きで、日本が誇る食文化だと思っている。味噌など時折作ってみたり、どぶろくなんかもちょっと挑戦したいなと思っているが、作者も醗酵については、かなり造詣が深く、作品中にも数々のうんちくが、主人公達のゼミ教授であるイツキ教授の口を借りて披露される。イツキ教授は醗酵学の権威という設定だが、主な登場人物全てが、醗酵(特に酒)に対して強烈な関心を持っている、という設定でもある。
史上初の 醗酵漫画でもあり、醗酵好きにはたまらない。

登場人物が織り成すストーリー、
農学部で繰り広げられる大学生活、
デフォルメされた微生物たちの活動、
細かく各所に散りばめられた作者のサービス精神、
良く出来ています!!


もやしもん(1)

もやしもん(2)

もやしもん(3)

もやしもん(4)

もやしもん(5)

もやしもん(6)

もやしもん(7)

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日本でいちばん大切にしたい会社



 おすすめ;★★★★★

おすすめです!
キセキの様な会社のお話です。

人は何で働くのか
自分は何の為に働いているのか?
悩んでいる方、ぜひ読んでみてください。
世界中の社長さんにも読んでほしい・・・
(ベティ)















涙の理由


 おすすめ;★★☆
 
 

最近私がはまった作家重松清さんと、今、時の人テレビでよくお見かけする茂木健一郎さんの対談というので読んだ作品。

二人のこれまでの経験や子どもの頃の話は大変興味深い 。

特に茂木氏のお母さんが子どもの為に学者さんに手紙を送ったエピソードにはグッときた。                                               


(ベティ)




走れビスコ

 おすすめ;★
 

エッセイは非常におもしろいが、小説は・・・・。

登場人物の一人一人のキャラが細かく描かれて
いるので映像になりやすいかも。

(ベティ)














孤独のグルメ

 おすすめ;★★★★
 

おもしろい!

全編、「食べる」ことが中心の展開だが、所謂グルメ漫画やノウハウ、知識を披露する内容ではない。

個人で輸入雑貨商を営んでいる主人公の井之頭五郎が、空腹を満たすために一人で、あるときは街角の食堂で、あるときはデパートの屋上で、あるときは深夜のコンビニで、食べる、食べる、食べる。

けっして、材料がどうこうのだとか、料理人がどうのこうの、という話ではなく、
「(略)ぶた肉ととん汁でぶたがダブってしまった。」「(略)ソースの味って男の子だよな」
などと、一人、飲食店や食事と向き合う時の心のありようみたいなものを描いている。

そんな主人公にの食事に対する哲学は、第12話で披露されているので、読んでみてほしい。なかなか、かっこいい。

男性にせよ女性にせよ、一人で食事(外食)する事に抵抗感を感じる人は多い。
私は、一人、見ず知らずの飲食店にふらっと入る事に抵抗感はない。
といっても、肝が据わっているわけではなく、むしろ、どの店にしようか何度も同じところを往復したりする事が多い。

店に入っても、堂々としているわけではない。
オーダーまでの短い時間で得られるだけの情報を収集し、最善と思われるオーダーを組み立てる、緊張の連続。
オーダーが済んでから、よりよいメニューなどを発見した場合(セットものとかに多い)には地団駄を踏む思い。

むろん当たり外れがあり、「やっぱりあの店に入るべきだった」という後悔や少しでもお腹に余裕があれば、マイナスを取り戻すために違う店に張りなおしたりと、なんとも馬鹿らしい限りだが、そんな瞬間や行為自体が好きみたい。

お腹が満てれば、食事なんて何でもいいじゃないか、という気にはなれず、少しでも安く、そして満足したいというキモチがはたらいてしまう。

そんな私にとっては、この本は本当におもしろいわけだが、
はたして、一人外食など思いもよらない人はいったいどう感じるのだろうか?
感想を聞いてみたい気がする。
(クリス)


三国志(全30巻セット)
巨匠、横山光輝氏の『三国志』。
コミックで60巻、文庫版で30巻の大作です。
三国志漫画としてはスタンダードと言えるこの作品、三国志演義をベースに歴史絵巻を展開。
演義ベースだけあって、蜀びいきというか、劉備はあくまでも徳の人、志の人であるし、諸葛亮にいたっては、物語の後半はほぼ一人舞台で、超人のごとき大活躍をみせている。


 【送料無料】【古本】三国志 [1~60全巻] (著)横山光輝


しかしながら、敵役である曹操をいたずらに悪玉に仕立てるのでもなく、なかなか魅力ある複雑な人物として描いており、それが物語自体の深みを増すことにもなっている。若い頃の曹操はかなり悪人顔に描かれており、冷酷・非道な印象を受けるが、年を経るごとに様々な魅力を発揮するようになる。おそらくこれは書き進めていく内に、曹操の只ならぬ才能や業績、魅力に横山氏が魅了されていったことによるものだろう。曹操死去のシーンでは、横山氏の追悼の一節もそえられていることから、その魅了度合いもうかがい知れる。

横山氏のインタビュー記事で読んだのだが、作品に挑むに当たり、全て資料を集め構想を固めきってスタートしたのではなく、手探りをしながら書き進めていったとのことだった。何しろ、長大な作品であるので、曹操のごとく、書き進めていく内に印象や受け止めが変化していった登場人物も多くあるのかもしれない。

入門書的に語られる事も多いが、簡潔に、しかしもれることなく三国志の世界を丁寧に描いているので、読者側の受け止めの幅が広いというか、いかようにも思いをめぐらせる事が出来る点で秀逸な作品。数多い三国志作品にあって、金字塔な作品だと思う。

登場人物が非常に多く、慣れない方には区別しにくい中国名であること、さらに人物の書き分けのパターンがそう多くはない事から、誰が誰やらこんがらがってしまう事が難点といえば難点かもしれない。

三国志には、凡そ人間が行う事が全て凝縮されていると思う。
太古から現在、そしてこれからも、それは変わらずに続いていくものだろうと思う。
人は生きて死ぬが、その志は受け継がれ、膨張し或いは縮小し、離散集散を繰り返しながらも、脈々と大河のようにそれは流れていく。そこには絶対的な善も悪も無く、何を志していかに生きたかが問われるのだろうと思う。
そんな普遍的なことをあまたの英傑の生死の物語を通じて、自らに問わずにはおれない横山『三国志』。
夜を徹して耽読してしまうこと、請け合いです。

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李 学仁 王欣太 『蒼天航路』 
こちらも三国志作品の傑作且つエポックな作品。熱烈なファン、マニアが多いので、あちこちのレビューを覗いてみて!

タイトルに三国志を掲げず、曹操その人をどっかり中心において、ストリー展開しているが、やはりここでも曹操は傑物。合理を貫き、古き悪しき慣習・常識・価値観(と曹操が認識したもの)は、躊躇なく破壊していく。それはかなり偏執狂的でもあって、彼を突き動かす原動力だったのか。特に儒家に対するそれは強烈で、当時の社会における硬直した儒家・儒教の影響力とその弊害を考えれば当然のような気もするし、この点で彼が単に国盗りゲームの参戦者という事ではなく、価値の変革を目指す革命家だったと言えるかもしれない。漢王室の復興という劉備の志よりも、もっと高く困難な境涯を志向した三国志人物中、随一の志の人だったのかもしれない。

それだけに、彼に従うか否かは、人としての価値観を彼と一にするか否かの選択を迫られることになるので、それをよしとしない相手の抵抗は強烈だったのだと思う。彼がもし、緩やかな連邦的な帝国を目指したのであれば、中華統一は彼の存命中に実現したかもしれないが、それは彼の望んだ事ではなかったのだろう。

独裁者の色彩も濃いが、曹操は圧倒的な人間的魅力に溢れている。それは、宦官の家系に生まれ、一官僚から幾度の挫折を経て、人と交わりながら皇帝を奉戴し、国の主となった彼の人生によるものだろうと思うし、流される事はなくとも、情緒豊かで人の感情をまっすぐに捉え活かす事のできる人だったと思う。

さて、『蒼天航路』の魅力の一つに周辺の将軍、文官の人物描写があげられる。
とりわけ曹操陣営は、曹操が中心の作品だけに露出も多く、夏候惇、荀彧、郭嘉など側近はもとより、各将軍も魅力的に描かれている。他作品ではほんの少ししか扱われることのない徐晃、楽進もクローズアップされているし、張遼、賈詡などの降将組も魅力的で存分に活躍する。
劉備軍では、関羽、趙雲、ちょっと変わったところでは法正の描写が面白い。諸葛亮は設定を複雑にしすぎたようでリアリティは感じにくい。もっとも、この作品は曹操の一代記なので、曹操の死をもって完結。よって諸葛亮の一人舞台となる曹操・劉備なき後の三国志の世界は描かれていないので不足はない。

もう一つ、作画も『蒼天航路』の大きな魅力。
人物が表情豊かに精緻に書き分けられており、みな個性的。甲冑や馬、衣装や背景も丁寧。曹操がだんだん年をとってくるのを絵で追うことが出来る。

 『蒼天航路』 、三国志を知ってる人も、知らない人も、誰でも楽しめる作品。
蒼天航路全36巻、大人買いで部屋にこもってみるのもいいかも。

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biz-cue

北方『三国志』、泣けますね。
ここで描かれる曹操も劉備も張飛も呂布も、みな血が通っています。

文庫版三国志完結記念セット(全14巻)

特に劉備、そしてそれを取り巻く張飛、呂布の魅力が傑出。
張飛、呂布については作者自身、「花を持たせたかった」と語っている通り、実にいい生き方、死に方。
そうです、北方『三国志』の魅力の一つは、死の描き方にあり。
熱く生を生き切った男たちのその死が描かれる毎に泣かずにはおれません。
それは決して陰湿な涙でなく、すがすがしく、また心の奥底が揺さぶられる涙です。

曹操はやはり一代の傑物として描かれています。
とるべき道、やるべき事をやる躊躇のなさ、進む事において実に果敢です。
そしてそれゆえの大勝利と大敗。その人の幅と奥行の深さ。
情愛と冷徹さ、寛容さと冷酷さ、
とにかく魅力に溢れた革命家です。

一方の劉備。
ここで描かれる劉備は、他の作品と同じように人格家、徳の将軍としての一面もありますが、それはあくまでも看板。劉備の数少ないPR素材として、側近が懸命に演出し支える姿が描かれています。
曹操と劉備は、基本的には同じような気質で、違いといえば、曹操が進む事に果敢であるのに対し、劉備は退く事において果敢で誤る事がないということと、やはり基本原則、志の相容れない部分での互いの相克、という描き方でやはりこのふたりの位置関係は非常におもいしろい。

劉備といえば、諸葛亮ですが、孔明も仙人のような描かれ方でなく生身の血の通う人間として描かれています。
特に、一般に三顧の礼とされる場面は感動的で涙が抑えることが難しいくらい。
中年期を迎え、志は大きくとも今だ流浪の将で先行きの見えない劉備が、20ほども年下の何者とも知れぬ諸葛亮を前に、その激情を吐露し、圧倒的な熱で口説き落としてしまう。何の儀礼も駆け引きもない、ストレート極まりない劉備の止むに止まれぬ熱情に読者も口説かれ、恥も外聞も捨てて、全身で頼み込むこの男の純真さと思いの熱さに心を揺さぶられます。

反面、呉の面々については作者はあまり好感を抱いていないようで、確か取材でも「呉は陰険」だから嫌いだ、のようなことを語っていたと思いまう。三代目孫権あたりになると、曹操・劉備という傑物の影に隠れているとはいえ、ほとんど魅力を発することなく、思えば、この国の志って何なのだろうか?と、思わず突っ込みたくなるような描かれ方。(因みに孫権だけが、物語の最終章においても存命。作家が男の生と死をテーマに描きたかったとすれば、生に魅力を感じない孫権の死がないことも納得)

最後に北方『三国志』の特徴として、北方氏の創作人物の登場と活躍があげられる。これらが結構魅力的な輝きを放っており、物語に精彩を添えている。史実に存在する人物よりも克明に描かれるこれらの人物描写に、作者の作家根性というか、骨格は借りても、自分の物語を構築するという意志を感じます。

北方『三国志』全13巻、これだけの数の男の生と死を味わえる小説は滅多とありません。



なんだか巷では三国志がブームの様子。

三国志に勝者はいない。多くの人が懸命に生き、そして死ぬ。
世の中は一つ一つの生と死を濁流のように飲み込みながら、変化し、前進していく。
ともすれば無常感に溢れる様なストーリーであるが、そんな印象をかけらも与えず、
むしろ生を謳歌し、死と堂々と相対すようにならればという思いになるのは、
一つ一つの生と死が激烈であり輝きにあふれているからだと思う。
このあたりが、三国の史でなく志である所以だろうと思う。

三国志の魅力にとりつかれ、自身の筆でものにしようと多くの作家がこの作品に挑んでいる。
私たちは、その数だけ、三国志を楽しめる。
読まず嫌いの人も一度読んでいただければ、きっと夢中になってしまうと思う。

小説で読む -北方謙三『三国志』-
劇画で読む -李 学仁 王欣太『蒼天航路』-
漫画で読む -横山光輝『三国志』-

食う寝る坐る永平寺修行記 (新潮文庫)

 おすすめ;★★★
 


曹洞宗の総本山、福井県の永平寺での修行体験記。

作者は、僧籍でもない、ごく普通の会社員であるが、
お気軽な修行体験でなく、一雲水として入山する。

禅修行といえば、厳しいながらも、浮世離れした厭世観のある静かな日常を想像していたが、大げさでなく命がけ。それも、密教系のように自然あいての荒行や断食などの苦行ではなく、圧倒的なバイオレンスと極度のストレスによるもの。
なんだか一般の会社で受ける精神的ストレスを極度に高め、さらに空腹、寒さ、長時間の座禅等の肉体的にも負荷を加え、24時間、ストレスにさらし続ける生活・・・過酷そうでしょ?

そんな修行生活の中で、自尊心、曖昧で中途半端な思考、思い込み、こだわり・・・

それまで大切にしてきた、今までそれこそ「自分」だと思っていたものが、ことごとく木っ端微塵、徹底的に破壊される。

ある種のセミナーの手法にも似ているが、結論(主催側が用意した)を与えない事、そして、その期間が長く、本人が決めない限り期限がないこと、が大きく決定的に異なる。

そんな修行生活の中で、作者がもがき、苦しみ、悩みながら、その生活の中に充実した時間と自分自身を取り戻していく過程が、すがすがしく、いきいきと描かれている。

作者は、何一つ結論めいたことは言わないし、押し付けがましいことも一切語らない。
ただただ、修行生活と自分自身の心の動きを描写している。
「悟り」などという言葉は、1回も出てこなかったと思う。

禅については全くの門外漢だが、開祖道元は、日々の暮らしの中にこそ、修行と鍛錬が在ると説き実践した、と聞き及ぶ。

只管打坐・・・、永平寺に入門せずとも、若しくはしても、日常の日々にこそ、道があり刹那刹那を真剣に生きなければ、と思うのだが、できないんだな、これが・・・・・。
(クリス)






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