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本当に読んだもの、聞いたもの、試したもので、よいと思ったものしか紹介しません。 マニアックじゃないけど少し偏った品揃えです。
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三国志(全30巻セット)
巨匠、横山光輝氏の『三国志』。
コミックで60巻、文庫版で30巻の大作です。
三国志漫画としてはスタンダードと言えるこの作品、三国志演義をベースに歴史絵巻を展開。
演義ベースだけあって、蜀びいきというか、劉備はあくまでも徳の人、志の人であるし、諸葛亮にいたっては、物語の後半はほぼ一人舞台で、超人のごとき大活躍をみせている。


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しかしながら、敵役である曹操をいたずらに悪玉に仕立てるのでもなく、なかなか魅力ある複雑な人物として描いており、それが物語自体の深みを増すことにもなっている。若い頃の曹操はかなり悪人顔に描かれており、冷酷・非道な印象を受けるが、年を経るごとに様々な魅力を発揮するようになる。おそらくこれは書き進めていく内に、曹操の只ならぬ才能や業績、魅力に横山氏が魅了されていったことによるものだろう。曹操死去のシーンでは、横山氏の追悼の一節もそえられていることから、その魅了度合いもうかがい知れる。

横山氏のインタビュー記事で読んだのだが、作品に挑むに当たり、全て資料を集め構想を固めきってスタートしたのではなく、手探りをしながら書き進めていったとのことだった。何しろ、長大な作品であるので、曹操のごとく、書き進めていく内に印象や受け止めが変化していった登場人物も多くあるのかもしれない。

入門書的に語られる事も多いが、簡潔に、しかしもれることなく三国志の世界を丁寧に描いているので、読者側の受け止めの幅が広いというか、いかようにも思いをめぐらせる事が出来る点で秀逸な作品。数多い三国志作品にあって、金字塔な作品だと思う。

登場人物が非常に多く、慣れない方には区別しにくい中国名であること、さらに人物の書き分けのパターンがそう多くはない事から、誰が誰やらこんがらがってしまう事が難点といえば難点かもしれない。

三国志には、凡そ人間が行う事が全て凝縮されていると思う。
太古から現在、そしてこれからも、それは変わらずに続いていくものだろうと思う。
人は生きて死ぬが、その志は受け継がれ、膨張し或いは縮小し、離散集散を繰り返しながらも、脈々と大河のようにそれは流れていく。そこには絶対的な善も悪も無く、何を志していかに生きたかが問われるのだろうと思う。
そんな普遍的なことをあまたの英傑の生死の物語を通じて、自らに問わずにはおれない横山『三国志』。
夜を徹して耽読してしまうこと、請け合いです。

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